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相続問題-マンションの名義変更

 

こんにちは、にわです。
先日、親のスマートフォンのトラブル対応で2駅隣の実家に行ったところ、20年前に購入したマンションの火災保険更新の相談を受けました。

 

その際、今、両親が住んでいるマンションは、二人とも死んだら、姉ではなく私に譲りたいと申し出を受けました。

 

団塊ジュニア世代のみなさんは、そろそろ親の不動産の生前贈与/相続問題を考えているのでしょうか…。いろいろ調べてみたら、相当めんどうな感じです…。

 

子どもが複数の家庭の不動産相続問題…

我が家は、両親・姉・私の4人家族なのですが、今年で父は74歳、母は81歳になります。3年前、父親は救急搬送されたせいか、リアルに終活を意識しはじめたようです。

 

姉は社会人になってからも、家賃・年金・出産・育児・中古マンション購入時の頭金・マンションの設備が壊れた時のリフォーム代・PCなどちょっと大きな買い物など、あらゆる場面で両親に金銭的援助を頼ってきました。

 

一方、私は大学の学費も自分でまかない、社会人になってから両親に金銭的に頼ることは一度もなく、両親が今住んでいるマンションを購入するときには頭金を貸したり…私としてはとくべつなことはしていないのですが、両親的には、私には何もしてあげられなかったと負い目がある、最期に唯一の財産くらいは渡したい、ということでした。

 

相続、といっても、両親は資産家でも何でもなく、貯金もほとんどない年金生活者で、死んだ後に残るのは、今住んでいるマンションくらいです。

 

今、築20年で、(父親はともかく…)長生き家系の母親はまだあと15年は死なないと思うので、「マンションはお前に譲る」と言われても、その頃には築35年の物件です。

 

現在、首都圏の不動産価格は高いようで、両親の住むマンションも、新築購入時と現在の売り出し価格にほとんど差がない状態ですが、15年後には、団塊世代の多くはいなくなっており、不動産の需要は確実に下がって、さすがに資産価値も下がっているだろうと思われます。

 

とはいえ、両親にとって今住んでいるマンションは、彼らにとって唯一の財産であり、私の住んでいるマンションも同じような築年数ですが、両親のマンションのほうが確実に立派で頑丈な物件だし、15年後には息子も23歳になっているので、もらっても負債にしかならない、ということはないだろうとは思います。

 

姉家族が住んでいるマンションは現在すでに築40年と、我々のマンションより20年近く古く、将来的には両親のマンションに住むことを考えている様子であることを、両親は気にしているようで、「お前が望むなら事前にマンションはお前に譲るとお姉ちゃんにも話しておくけどどうする?」と聞かれました。

 

リバースモーゲージはできなかった

10-15年前あたりにも、両親が死んだ後のマンションをどうすべきかという話題が父親から持ち出されたことがあり、リバースモーゲージでお金を借りて自分たちで使い切ればよい、という提案をしたのですが、両親が住むマンションでは実現できなかったようです。

 

両親ともインターネットで調べものをできるタイプではないので、近所の銀行に足を運んで相談したのではないかと思うのですが、私自身もすこし調べてみた感じでは、細かい注意事項が多く、実際に契約するとなると、なかなか難しいかもしれないという印象を受けたので、それ以上すすめることはしませんでした。

 

生前贈与か相続か

父親は子どもの頃に両親を亡くして、お兄さん夫婦に育てられたので、相続問題の記憶はないようなのですが、母方の祖母が何年か前に亡くなったときに、姉弟間で相続トラブルとなり、弁護士に収めてもらう事態となりました。母親は5人姉弟の真ん中で、高校も行かせてもらなかったという、当時の地方ではよくある一般的な家庭で、祖母は資産家でもなんでもないので、日々こつこつ貯蓄した現金を5人で分けたら1人数百万円、という相続内容です。

 

歳をとってからそんなことで揉めるのはいやなので…みんなが(我が家の場合は、父母姉私の4人が)心身ともに比較的健康なうちに、話し合って、仕事の都合がつくタイミングで事務処理を片付けておき、親が死んだタイミングであれこれしないで済むようにたい、と考えたのですが、インターネットで少し調べた感じでは、生前贈与の場合、相続では発生しない税金等が発生し、金銭的な損得だけ考えると「損」なようです。

 

税務署で、無料の税務相談をしているようなので、そのうち予約をしてきちんと相談したほうがよいのかもしれない…。

 

親の不動産の名義変更等にかかる費用

もらってもリフォーム/リノベーション必須

父親はヘビースモーカーなので、両親のマンションのドアを開けると、煙草のにおいにうっとなります…。1時間もいると煙草の燻製状態に…。自宅に戻ると衣類は分けて洗濯し、すぐ風呂に入って煙草の臭いを落とさないと落ち着かない、というほど、実家は煙草のにおいが染みついています。

 

昔は自分もこんな煙草臭のすごい家に住んでいたとは信じられないです。マンションをもらっても、煙草臭を完全に落としたり、物であふれた部屋の整理、水回りの交換など、リフォーム/リノベーション費用は1千万円以上かかるだろうと思われます。

 

管理費・修繕積立費・固定資産税

私の自宅は、管理費・修繕積立費がそこそこ上がっても3万円を超えることはないであろうという計算で購入しましたが、両親のマンションの管理費・修繕積立費は、我が家の1.5倍くらいで、固定資産税も我が家より若干高いので、マンションを2つ維持するのは、それはそれで大変です。

 

今の自宅の立地を気に入っているので、自宅を売って、両親のマンションに引っ越す、というのもあまり心が動かされません。しかし賃貸に出して、まったくの他人が住む、というのもなんとなく抵抗があります。

 

であれば姉家族にゆずって、両親に頭金を出してもらった姉家族の古いマンションを私がもらう、というのも悪くないかも…と考えましたが、こうなると全員での話し合いは必須です。姉家族のマンションは古いものの、立地は一般的(不動産価値的)には一番よいので、価値0になることはなさそうです。

 

両親は、姉が両親のマンションに住むことを考えているようだと話していたものの、姉家族に両親のマンションをリフォーム/リノベーションしたり、管理費・修繕積立費と固定資産税を払うだけの経済力があるのだろうか?という疑問もあり、一度みんなで集まって話した方が早そう。 

 

最近ようやく自分の老後を考え始めたようである姉をみていると、大した金額にならなくとも、両親のマンションは売って、現金を折半する、ということを姉は希望するかもしれない、とも思います。自分たちが死んだあと、誰かしら住んでくれるだろうと思っている両親にはショックかもしれないけれど…。
 

不動産取得税

15年後には、私も62歳だし、親が死んですぐ、不動産の事務手続きなど煩雑なことをしなければならないと考えるだけで気が重いので、両親の意識がはっきりしている今のうちに、名義変更したらどうかと調べてみたのですが、死んでからではなく、生きていうちに不動産を譲り受ける場合、不動産取得税の支払いが必要になるようです。

 

死後相続では不動産取得税はかからないのに、生前贈与・相続時精算課税制度というものを利用しても、不動産取得税は免れられない模様(インターネットですこし調べただけなので、同じ問題を考えている方は専門家にご相談されてみてください。)

 

固定資産税評価額の3%って、(少なくとも私には)ばかにならない金額です…。

 

両親が私にマンションをゆずった、のではなく、いくらか(例えば贈与税がかからない100万円くらい)で私が両親に援助し、名義変更後は、固定資産税は両親が死ぬまで私が払う、とすれば、姉が何も相続されなかったと傷つくこともなく、親孝行もできてよいようにも思いましたが、相続より税金をたくさん払う問題は解消されないし、息子に今後想定外のお金が必要になったときのためにも余裕資金は残しておきたいので、この案はいまひとつです。

 

親族内売買

私が父親からマンションを購入する、という手続きをしてはどうか?ということも調べてみましたが、市場価格より不当に安い金額での売買はできないようです。

 

私としては、両親が生きている間は自分が使ったり売却したりすることはないので、15‐20年後に想定される価値しかなく、現在の不動産評価額で不当に安いと判断されるのはどうかと思うのですが…。リバースモーゲージのように、経年や寿命など、諸々考慮して算定する仕組みはないのだろうか??

 

登録免許税

不動産の名義変更で必ず必要とされる税金。死後相続でも生前贈与でも必要ですが、相続だと固定資産税評価額の0.4%なのに、生前贈与の場合は固定資産税評価額の2%とだいぶ高くなる模様…。

 

今までは、名義変更しないという選択肢もあったようですが、調べてみたところ、2024年4月1日以降、相続登記が義務化され、『相続で不動産取得を知った日から3年以内に正当な理由がなく登記・名義変更手続きをしないと10万円以下の過料の対象となる』そうです。

  

我が家の場合、おそらく父親が母親より先に死んで、母親は父親より3年以上長生きすると思われるので、父親が死んだら、母親の名前で登記して、数年後に母親が死んだら、姉か私の名前で登記して…というのは、無駄なので、ますます今からきちんと考えたほうがよさそうです。

 

生前贈与と相続時精算課税制度

贈与は相続よりたくさん税金がとられますが、生前贈与、ということであれば、相続時精算課税制度というもので、贈与時は非課税で、相続が起きた時に非課税にした分を精算して課税する制度なので、我が家の庶民的不動産程度であれば、無税となる可能性が高いです。

 

とはいえ、不動産取得税や登録免許税は、庶民にはばかになりません…。

 

相続放棄

結局、死ぬまで待って相続、というのが、庶民にとっては一番払う税金が少なくて済むようです。

 

そのうち絶対に発生することがわかっている事務手続きを、関係者全員の心身が比較的健康なうちに、自分たちのタイミングで実施しよう、という選択肢をとることを躊躇させる仕組みが腹立たしい…。

 

両親のマンションは売却して、現金を姉と等分する、というのが、おそらく一番らくなのだろうと想像しますが、父と母が同日に死ぬ可能性は極めて低いので、父親が先に死んだ場合、誰の名義で登記するのか?問題になることが目に見えています。これを放置しておくのも煩わしいです…。

 

私が考える最良の案1は、

  • 父親が亡くなったら姉(か姉の息子)の名義で登記
  • 母親と私は相続放棄する
  • 姉(家族)が母と両親のマンションに住む
  • 姉のマンションは売って母親と暮らす資金に充てる
  • 姉は我が家に(息子に)毎年みかん送る

 

案2は、

  • 父親が亡くなったら姉か私の名義で登記
  • 母親と登記しないほうは相続放棄
  • 母親が亡くなったらマンションは売却
  • 現金を等分で相続
    ※両親的にはさみしいかも…。そして90歳前後の母親は一人で生活できるほど健康とは限らない問題…。

 

15年後には姉も私も還暦を超えて、息子たちは成人しているので、マンションがまだまだ住める/価値がある状態なのであれば、息子たちのどちらかの名義で登記、のほうが、よいのではないかという気もします。 

 

いろいろ想定してみて、だいぶ面倒であることがわかったので、全員が比較的元気で経済的に困窮していないうちに、一度みんなで集まって話し合ったほうがよさそうだと思いました。(お父さん、常に先に死ぬ想定でごめん…。)

 

庶民・2人姉妹でこんなに面倒なのに、資産家で親族が多いご家庭は、どれだけ大変なのだろう…。

   

  

2023年2月吉日

 

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