こんにちは、にわです。
学生時代からの友人の紹介で2020年の春頃から聴き始めた音声プラットフォームVoicy。週次でトークテーマ(ハッシュタグ#企画)が提供され、多くの配信者がこのテーマに基づいた配信をしてくれます。
すこし前の『今こそ知りたいマネープラン』というテーマに関する、社会派ブロガーちきりんさんの配信への反響がすごかったようです。(スマートフォンのVoicyアプリからではなくWebブラウザからの場合)330円払って11月の「プレミアムリスナー」に登録する必要がありますが、リンクをご紹介しておきます。
この配信を聴いた方々のツイートが、2022/11/17,18,19あたりのちきりんさんのリツイートによって覗くことができるので、どのような内容だったのか窺い知ることができるのではないかと思います。
リツイートだと、意図的に取り上げられない反応や意見もあるようなので、全体の反応や意見に興味がある場合は、リプライ欄を参照したほうがよいのかもしれません。
以前ちきりんさんが「こういうツイートはリツイートしない」というようなことを言われていて、すべてのツイートがリツイートされているわけではないのだ、とはっとしたことがあります。考えてみれば当たり前のことなのですが、言われたことをそのまますぐ信じてしまうタイプなので、マーケット感覚に優れた戦略的なインフルエンサーに触れる際には、1-2歩引いて冷静な心持ちで接する必要がある、と、学びました…。
「バズらない」と言われるVoicy 、てか音声配信ですが、このライブトークに関してはかなり「バズってる」状態に近い気がする。課金しないと聞けない配信でここまで反響が大きいのはびっくり。
2022/11/17 #674
将来のマネープランに必須な社会経済状況の変化と対策 https://t.co/iSAHzOMREN#Voicy— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) November 19, 2022
私は1976年1月生まれの団塊ジュニア&就職超氷河期世代で、バブル崩壊後に多額の借金を背負った親戚(旦那さんが不動産業だった)や、親が離婚して母子家庭→非行に走る→母親が早くに病死→結婚・出産→離婚→シングルマザー→貧困という、女性の貧困の原因の典型のような親戚を、子どもの頃に間近にみてきたので、マネープランについて「なんとかなる」と楽観できたことはありません。
以前の投稿でも触れたように、団塊ジュニア&就職超氷河期世代がリタイアする頃が、一番悲惨な状況で、我々の世代がいなくなった頃、ようやく明るい兆しがみえてくるのではなかろうかと思っています。ちきりんさんの配信で宿題とされていた、親と自分と子どもの人口について、この投稿を書いたときに調べた数字はこんな感じでした。
母 | 1942年生まれ | 約223万人 |
父 | 1949年生まれ | 約211万人 |
夫 | 1973年生まれ | 約210万人 |
姉 | 1974年生まれ | 約198万人 |
自分 | 1976年生まれ | 約183万人 |
息子 | 2014年生まれ | 約100万人 |
父は1949年生まれの団塊の世代で、小さい頃に母親を、小学生か中学生の頃に父親を亡くし、お兄さん夫婦に育てられ、高卒で三種国家公務員になり、母は1942年生まれで、姉姉母弟妹の5人きょうだいの真ん中で「女に学問はいらない」という父親に育てられて高校にも行かせてもらえたなかった、という、どちらもまったく裕福ではない地方の家の出身で、核家族で姉と私を育て、生活に余裕などまったくない状態でしたが、公務員=安定した収入がある、と思われたのか、親戚から借金に来られる、ということがたびたびありました。
母親は未だに高校に行かせてもらえなかったことを嘆いていますが、母親の時代は、中卒で働く、という層が大勢だったのではないかと思います。それぞれ18歳時点の年での大学進学率はこんな感じ。思った以上に大学進学率は低かったです。大学進学は当たり前、と思う環境で育ててくれた親に感謝しなくてはなりません。
母が18歳 | 1960年 | 10.3% |
父が18歳 | 1967年 | 17.9% |
夫が18歳 | 1991年 | 37.7% |
姉が18歳 | 1992年 | 38.9% |
自分が18歳 | 1994年 | 43.3% |
息子が18歳 | 2032年 | n/a |
(資料)社会実情データ図録(http://honkawa2.sakura.ne.jp/3927.html)
こちらは文科省のデータですが、社会実情データ図録サイトさんの数字のほうがわかりやすかったので、上記の数字はそちらから借用しました。
バブル崩壊で借金を負ってしまったお姉さんについては、最初の頃はなけなしの預貯金から融通していた父も、何回目かの依頼でついに怒りを爆発させ、母親が父には内緒でいくらか融通する手紙の代筆を私はさせられていたのですが、その後、おば夫婦は消息不明になり、今はもう生きているのか死んでいるのかわかりません。父もすでに73歳なので、もう亡くなっている可能性は高いだろうと思います。
シングルマザーになった従姉は、育児ノイローゼになり、消費者金融でお金を借り入れ、さしてほしいわけでもない物を購入することをやめることができない、という買い物依存症に陥り、相談された父親がいくら借金があるのか聞きだして、清算しました。
私が幼稚園生だったか小学校低学年だったかの頃には、父親にとっての別の姪っ子の結婚相手が反社組織の人だったことが発覚し、DVから逃れ離婚するため、うちで数か月か数年か、もう忘れてしまいましたが、結構な期間、親子2人をかくまうため同居していた時期がありました。
そんなこんなで両親にはほぼ預貯金などというものはありませんでした。私からすると、将来に対する蓄えがほぼない、という状態は心が落ち着きませんが、父や母にとっては、おそらくそれほど特殊な状態ではないために危機感もなかったのではなかろうかと想像します。
母や父が子どもの頃は、蓄えどころか、今日明日たべるものも十分にはなく、健康志向が高まっている昨今、白米/玄米/雑穀米などを選択可能な飲食店に入っても、父親は白米一択です。
サツマイモを蒸かしたものも、戦後の食糧難時代に散々食べたからもうたべたくない、とか、一世代で時代は大きく変わるものですね…。現在、小2の息子には、もはや私の両親の子どもの頃の時代など、まったく想像もつかないでしょう。
今回のちきりんさんの配信を聴いて私が考えたこと
- 健康には引き続き気をつける(しかし甘いものは私にとって人生の大きなたのしみのひとつなのでたくさんは我慢しない)
- 長期マネープランは引き続き継続する(住まい・学費・老後費用のバランスに注意)
- 就職超氷河期世代で家族を扶養している人は多少のストレス程度では40代半ばで仕事を変えるのは難しいだろう
- 今よりさらに何かを我慢してもう1-2千万円貯蓄したところでより生活の厳しい層に再分配されるだけで自分たちの生活は楽にならないだろう
- 我々世代がリタイアする頃には所得課税だけでなく資産課税も導入されそう
- しかも(児童手当の所得制限具合から察するに)10億、100億とかではなく1億とか5千万円とか、死ぬまでに使い切れそうな資産額から課税されそう
- であればもうすこし貯蓄配分を減らして使ってしまったほうがよいかも
- お金をかけなくてもやる子はやるし、お金をかけてもやらない子はやらない、はそうかもしれないが、突出した何者かにならずとも、すこしのサポートでより豊かな人生を送ることができる、という子たちも存在すると思う(思いたい…)
- 現在のところ大学進学者数は年々増加傾向にあり、少子化だからといって入学が格段にらくになっているわけではないようにも思われる
自分たちの老後の生活を考えずに教育に全投資、というタイプではないものの、教育にどれだけ投資するかは悩ましいと常々考えています。学ぶことでよりたのしめる、ということはたくさんあるし、自分自身、ずっと苦手だった教科をある先生の教え方ひとつで、すっかり世界が変わったような経験をしたことがあるため、すこしのサポートでできることが増えるのであれば、息子にもそのような機会を提供してあげたい。
かといって教育費に費やし過ぎて、老後の面倒を子に頼るようになっては、息子の人生の選択肢を狭めてしまうことになるので、算数が苦手な私もそこはきっちりしっかり計算したい。
現在小2の息子が大学進学を考え始める可能性がある5年後10年後も、大学が魅力的な進路であるかはわかりませんが、直近の文部科学統計要覧によると、大学入学者数は増加傾向にあるようです。
この数値は18歳だけでなく、60歳以上も含まれ、年齢別の内訳はないので、生活に余裕がある富裕層の学び直しが増えているのか、純粋に18歳人口の大学進学者数が増えているのかは単年の資料だけからはわかりませんが、いずれにしても少子化によって競争率が極端に下がっているわけではないのではないかと想像します。
高校1年生のとき、学校のロードレース大会で1位を取ったのですが、部活の先輩から「1年は早い子がいないから、にわでも1位になれたのだ。」というようなことを言われたことがあり、「まあ、そうですよね…。」と小中学校では3位以内に入れたことは一度もなかったので、先輩の言葉にとくに傷つくこともなかったのですが、たまたま聞いていた部活の顧問が「絶対的に早いか否かは関係ない。競争の中で1位になること自体がすごいことだ。」というようなことを言ってくれて、顧問もたまにはいいこと言ってくれるのだなーと思ったことを覚えています。
そのようなこともあり、少子化だから親世代が入れなかったような大学に入れて当然、ではなく、その時代に評価されているような学校に進学することは、やっぱりすごいことで、それなりの大変さは伴うものなのではないかと思います。
ところで、同じ家庭環境で育ったはずの姉は、私とは全く異なり、お金に無頓着で、貯蓄もほとんどなく、社会人になってからも親に年金や家賃を払ってもらったり、パソコンなどの金額が高めの買い物は親に買ってもらったり、
と思わされる人でした。仕事ができなくなったらどうなるのか、心配でなりません…。
私が10億万円長者だったら、半分くらいもっていかれても全然かまわないのですが、数千万円から1億円程度の層からもっていかれるとなると、死ぬまでに貯蓄が底をつかないかと心配しながら生きることになるのかと、絶望的な気持ちと、ちょっとがんばったくらいではどうにもならないのか、とあきらめの気持ちと、なんとかなるのかならないのか、今2050年以降を占っている人たちの予測がどうなっているのか、今後がたのしみでもあります。
2022年11月吉日