こんにちは、にわです。
外出自粛要請が本格化する前の2月下旬だったか3月初めだったか、築40-50年超のマンションを見に出かけました。
目次
事の経緯
諸事情により、引っ越しを検討していたため、ネットで検索して気になる団地やマンションおよびその周辺の環境を確認するために、現地に赴いていました。いろいろな条件が重なった結果、今は引っ越しは考えていないのですが、その時に見聞きした体験は、私にはなかなか新しいものだったので、ブログに記載したいと思います。
実際に足を運ぶのもそれなりに時間を要するため、ネットでいろいろ物色してから、更に、ネットだけでは得ることができない情報の提供を、不動産会社や、売買時に買い手側からは手数料を取らない種類の仲介業者に依頼したりしたのですが、不動産会社や仲介業者も様々で、通り一遍の返信しかくれない会社もあれば、すごく丁寧に回答してくれて、期待と異なる回答だったときには次の提案をしてくれたりする会社もあり、情報収集の依頼が申しわけなくなるくらいでした。
そんな後者の業者から紹介されたマンションは、まったく検討していなかった立地だったのですが、間取りがすごく好みで、何より築50年超なためか、価格が手ごろで、気になる点をいろいろ質問してみても、「ありかな」と思える物件だったため、直接自分の目で見て、周辺を歩いて確認したいと思い、仕事が休みのタイミングで見に行ってきました。
よく管理されているマンションは築50年超でも魅力的
結論としてはこれです。
実際に見に行く前までは、築50年のマンションはどんな見てくれで、あと何年住むことができるのだろうか…と否定的な印象が強かったため、内見の申し込みはせず、ひっそり外から眺めたり、近隣の駅や学区となる小学校までいくつかのルートで実際に歩いてみたり、ということをひとまず行いました。
「築50年超」という言葉から受ける悪い印象は、実物を見て、完全に払しょくされました。「築20年」と言われても私にはわからないくらい状態がよかったです。業者の方の言っていたとおり、非常によく管理されているように見受けられました。まだあと50年は住むことができそうに見えました。
築40年ほどの団地
築50年超のマンションの前に、築40年ほどの団地を見学に行っており、こちらは、「築40年」という言葉から受ける印象の通り、古びた見た目で、エレベータがないため上の階は空き部屋がやや見受けられ、あと10年もたないのでは…と思われる印象でした。
加えて、インターネット検索してみると、地盤が弱く基礎工事も十分なされていないために、何年も前から、国から建て替え指示が出ており、建て替えの話し合い中である物件であることが判明しました。
デメリット
この物件は、インターネットで見て立地に魅力を感じた物件だったのですが、金額的には、取引内容によっては私には高過ぎると感じる金額感でした。
「取引内容によっては」というのは、例えば、以下のようなことです。
- リフォームしなくても済むことができる状態なのか否か
- リフォームが必要な場合いくらくらい必要になるのか
- 購入して間もなく建て替えが決まった場合、仮住まいはどうなるのか
(仮住まいの場所や費用など) - 建て替えが決まった場合、持ち出し金額はどのくらいになるのか
- 建て替えはそもそも決まらなそうなのか否か
- 建て替えが決まらない場合、耐震の不安を抱えた生活が続くことになるのか
メリット
- なにより立地が魅力的だった
- 建て替えが決まった場合、持ち出し金額が少なければ新築を購入するより少ない投資で新しい家に住むことができる
- 建て替えが決まった場合、今の私の年齢から考えるに死ぬまで住むことができる
業者による情報提供
以上のとおり、建て替えの条件がよければお買い得になり得るものの、現状では購入の判断はないかな…という物件でした。
インターネットで検索しても、建て替えの話し合いの状況や、建て替えが決まった場合の持ち出し金額についての情報は見つけられなかったのですが、業者の方に質問したところ調べて、情報提供してくださいました。
ほかにも、以下のような質問をして情報をご提供いただきました。
- 住民層
職場の同僚は古い団地に住んでいて、低所得のアジア系外国人が多く、ゴミ出しのルールを守ってくれないなどとぼやいていたことを思い出したため質問してみました。
個人情報の問題があり、業者さん自身も正確な情報を得ることはできなかったと報告を受けたものの、住民同士のトラブルなどの話はないようです、というようなことは回答してもらうことができました。 - リフォームが必要な状態か否か
インターネット上の物件情報には、室内の写真がなかったため質問してみたところ、わかりやすく状況を説明していただくことができました。 - リフォームに必要なおおよその金額
水回りをリフォームしたり、一部間取り変更したり、といった要望を出し、リフォームするといくらくらい必要になるのか、をご回答いただきました。これにより、物件の購入額とその後必要な費用が把握できてたすかりました。 - 現在の住まいはまだ住宅ローンが残っているが新規にローンを組むことができるのか
具体的な銀行名を挙げて情報をご提供いただきました。
マンションの建て替え
インターネットで築古物件や建て替えについて調べてみると、なかなかおもしろい情報が出てきます。
建て替えがスムーズに進む場合というのは、やはり、建て替えによる各戸の持ち出しが0のケースのようです。どのような場合に0にできるかというと、現在の立地が駅に近いなどの利点があり、40-50年前に建てられた団地の多くのように、広いスペースに低層の建物がゆったり配置されていて、建て替え後は高層建物にして戸数を増やして、現在の住民プラス新規購入者(デベロッパーが一括購入して個人に再販する、という手法になるようです)で新しい建物は構成されるようにすることで、新規購入者たちが支払う費用で、建て替え費用が賄われる、という場合だそうです。
駅から近くて、日当たりが良くて、スペースがたくさんあって、建て替えによって戸数を増やすことができそうな築古物件は、支払いなく新築を入手できる可能性があるのだ…と少々わくわくした気持ちになりました。
が現実は、そのような成功例はまだまだ少ないようです。そして個人的に気になるのは、成功した最初の建て替えはよいけれど、ひとたび高層に建て替えてしまった後は、もう同じ手法は使えないので、どうなるのだろう…というところです。
これから買うなら…
日本は湿度が高いので住宅の寿命が他国に比べて短いのだという記事をどこかで見ましたが、本当にそうなのだろうか。最近は人生100年時代などというものの、売られている戸建てやマンションに100年を想定したものはまだほぼ見かけないように思います。
私も現在の住まいを購入するときは、一生住むつもりで一生の買い物をした気持ちでしたが、何歳でどのような物件をいくらで購入するのが正解なのか、疑問に思います。
今、マンションを買う前に戻れるのであれば、立地が良く・築古だけれど管理状態がよい500万円くらいの団地を購入して、一千万円くらいかけてリフォームして、建て替え後に新築に住む、という選択をすると思います。建て替え時の持ち出しは0が望ましいものの、一千万円くらいまでで新築を入手できるのであれば相当成功と言えると思います。
私が今住んでいるマンションを購入した時は、建て替えはあまり成功例がなく、非現実的に思えて、建て替え想定で購入する、という発想がありませんでした。しかし、これからは築30年、40年といった物件がどんどん増えてくるので、もっと現実的に考えられるように思います。
再び築50年超のマンションへ
結局、築40年ほどの団地は、いろいろ条件が合わず、購入するを検討するには至らなかったのですが、業者の方から、管理状態がよく資産価値が高いと築50年超のマンションを案内され、半信半疑なまま、いろいろ質問をしてみました。
- 住民による管理が行き届いていて管理状態が非常に良い
- つい最近も修繕をしており建て替えではなく手を入れて住み続ける方針のマンションである
- 国からの建て替え指示なども出ていない
- 震災時の影響もほとんどなかった
- インターネットに出ていない物件の紹介が可能
(リフォーム/リノベーション前で安く好きなようにリフォームが可能) - フルリフォーム/リノベーションしても〇〇万円ほど
調査の過程で学んだこと
築50年超となると、旧耐震基準の建物ということになるかと思います。このキーワードでインターネットを検索していると、国土交通省は2025年までに、耐震性のないマンションをゼロにする目標で規制を強めており、旧耐震基準の建物は補強や建て替え費用が発生する可能性があり古い物件は売りづらくなる、というような記事が出てきます。
どういう物件であれば旧耐震基準の建物でも売れるのか?ということも書かれており、費用はかかるものの、耐震基準適合証明書を取得しているマンションであれば住宅ローン減税も受けられるし、売却時に耐震性能が問題とされることもない、とのことでした。
なるほどな…と思い、対象の物件がは耐震基準適合証明書を取得しているマンションなのか質問してみたところ、国土交通省の「耐震診断義務付け建築物に関わる耐震化の促進」については、義務付け対象となっているのは大規模で不特定多数の方が利用する病院や店舗、旅館などが対象で、 マンションや住宅は努力義務にとどまっている、との回答を得ました。
自分はいろいろ知らない状態で今の住まいを購入してしまったのだと改めて思いました。結局、築50年超のマンションも、周辺環境の希望が合わず見送ったのですが、直観なのか、第一印象なのか、で選んだ割に、今の住まいほど自分に合った環境の住まいを見つけるのはなかなかに難しいということに一番驚いています。
2020年4月吉日