こんにちは、にわです。
以前読んだ『インベスターZ』に登場していた、本多静六さんという方の『私の財産告白』という本を Kindle Unlimited の「読み放題」で読んでみました。
『インベスターZ』では、子どもに留学したいと言われた貯蓄のできない主婦が、子どものために貯蓄をするにはどうすればよいのか、と悩んでいるところに、コーヒー店の女主人が、この本を紹介するという体で、給料の1/4を貯蓄すること、細かい支出ではなく大きな固定費を見直して無理なく貯蓄に回す1/4を捻出すること、などを説明します。
収入の何割かを貯蓄に回す、という手法は、『バビロンの大富豪』にも登場するので、一般的な方法なのかな、と思います。
バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
最初の感想は、読みづらい…です。
Wikipediaによると、本多静六さんという方は、1866-1952年を生きた人だそうで、使われている単語や、文体が、私には少々読みづらく、読了まで予定していたよりも時間を要してしまいました。
『インベスターZ』では「月給4分の1天引き貯金」という手法が、フィーチャーされていましたが、そこはこの本のごく一部に過ぎず、
- 努力すること
- 職業上の成功が最大幸福をもたらすこと
がこの本のハイライトであると個人的には受け取りました。
収入の何割かを貯蓄に回す、という手法は、とくべつなものではない、貯金とは方法の如何ではなく、実行の如何である、と書かれています。
わかってはいるけれど、なかなかできない。
一人暮らしだった頃は、ちょっと使いすぎたな、と思ったら、とりあえず今日一日、一円も使わないで過ごしてみよう、と決意して、達成できたら、もう一日、とゲームのように自分でつくったルールで自分を縛り、比較的簡単に支出を制御できていましたが、家族持ちとなると、自分の都合以外で支出が発生し得るので、ここ最近は制御が困難になっています…。
本多静六さんは、とくべつ高給取りな人だったわけではないようですが、収入が少ないときから1/4は貯蓄に回し、ある程度まとまった貯蓄ができたら、将来性が高いと信じる事業に投資して何倍ものリターンを得る、という一般的な手法で財を成しました、と言われています。
「とくべつなことは何もしていない」「一般的な手法で財を成した」と言われるものの、今、自分におきかえて考えると、「将来性が高い事業」を見つけて「何倍ものリターンを得る」ことは、なかなか困難に感じます。
給料は年々増え、投資した分から利益がでるから、収入の1/4を貯蓄しようが、分母は年々大きくなっていくので、暮らしはどんどんラクになっていく…というような説明が登場しますが、2022年の現在、給料は年々増えるものではないし、投資も必ずしも利益が出るわけではないしなあ…と考えてしまいました。
本多静六さんも、すべての投資で利益を出せているわけではないと本に書かれているのですが、損失が気にならないほどの結果を得る人と、そうでない人との違いはなにか、は私には読み取ることはできませんでした。
この本の大部分は貯蓄や投資の話ではなく、職業人生にかかわる話だったな、という印象です。仕事でどのようなオファーがあって、どのような選択をして、どのような後悔をしたのか…というエピソードもたびたび登場します。「職業上の成功が最大幸福をもたらす」というタイプでは自分はないので、残念ながら全体的に私にはしっくりこない本でした…。
2022年7月吉日