こんにちは、にわです。
「ヤングケアラー」という言葉をご存じでしょうか。私は昨年の今頃、初めてこの言葉を知りました。
目次
ヤングケアラーとは
厚生労働省のサイトによると、『法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。』とのことです。
障害や病気をもった家族や、高齢あるいは幼い弟妹の世話を日常的にしなくてはならない子どものことを「ヤングケアラー」というのだそうです。
ヤングケアラーの問題
『子どもが家事や家族の世話をすることは、ごく普通のことだと思われるかもしれません。でも、ヤングケアラーは、年齢等に見合わない重い責任や負担を負うことで、本当なら享受できたはずの、勉強に励む時間、部活に打ち込む時間、将来に思いを巡らせる時間、友人との他愛ない時間…これらの「子どもとしての時間」と引き換えに、家事や家族の世話をしている』(厚生労働省のサイトより)
…場合があることが問題とされているようです。
過度の責任・負担、という点がポイントということでしょうか。負担感は個人差があるので、どこまでが「普通」の手伝いの範囲なのか、判断がむずかしいグレーな子/家庭もありそうです。
我が家の小2の息子は一人っ子で、専業主夫という家族形態を選択しており、今のところ、一緒に生活している夫も私も、息子の世話は不要な程度には健康体なので、「ヤングケアラー」の心配はないのですが、もし我が家が専業主夫世帯ではなく、フルタイムの共働き世帯だったら、息子にそこそこな負担の家事を手伝ってもらう、ということはやりそうです。
弟妹を小学校に送り届ける中学生の兄姉
息子が通う小学校は、家からやや遠く(学区で一番とおい…)、通学路も自転車の往来が多いなど少々難があるので、入学当初から、息子の登校には夫(仕事がない日は私)が付き添っています。
息子の登校に付き添って学校に行くと、中学生のお兄ちゃんお姉ちゃんたちが、低学年の弟妹たちを下駄箱まで送り、上履きに履き替えさせ、見送ったあとに中学校に向かう…という光景をたびたび目にします。
私が小学生の頃は、小学校と中学校が離れていたからか、専業主婦が多い時代だったからか、世の中まださほど物騒でもなかったからか、小学校で中学生の姿を目にすることはほぼなかったように思います。
当初は、単純に、
と思っていたのですが、この話を親にしたところ、想像していなかった反応が返ってきました。自分と同じように、「えらいねー」的な反応が返ってくるものとばかり思っていたのですが…「かわいそう!」「親の代わりをさせられてるのね!」と言われびっくり。
1950年代の田舎の一例
母は1942年生まれで、姉・姉・母・弟・妹、という5人兄弟で、最寄りの小学校まで1時間以上かかり、全校生徒を集めてもサッカー部はつくれない、というような人口の少ない地域の出身で、父親(私にとっての祖父)は、「女に学問はいらねえ」という人だったそうで、高校へは進学させてもらえなかったと聞いています。
母親の実家が当時のその地方の平均的な姿であったのか否かはわかりませんが、母親は学校に、妹をおぶって通い、そのまま(妹連れのまま…)授業を受けていたそうです。
授業中におしめをかえたりなんなりで全く授業に集中できなかった、勉強したかったのに!(本人申告)とよく言っていました。
元祖「ヤングケアラー」ではないか。
母親はきっと自身のこの記憶を重ねて「かわいそう」という言葉が出てきたのであろうと想像します。
1日5時間労働に
自分に中学生と小学校1-2年生の子どもがいたら、自分自身が中学生であった頃を振り返っても、四十半ばになった自分と精神的にほぼ変わらないように思うので、そりゃあ頼ってしまうのでは…。
私が目にする中学生たちが「ヤングケアラー」なのか、負担を感じていない「お手伝い」レベルなのかは、傍からみているだけでは判別がつきませんが、「ヤングケアラー」の問題は、各家庭の問題というよりも、日本の社会システムや税金の使い方を改善することでそこそこ解決するのではないでしょうか。
厚生労働省のサイトには、相談先の情報がたくさん書いてあるのですが、
- 1日5時間(拘束)労働
- ベーシックインカム
等のしくみにより、健康で文化的な最低限度の生活が、無理をせずとも確保されれば、多くの家庭のヤングケアラー問題は解決するのでは…。ベーシックインカムなんて財源的に非現実的、という意見もしばしばみかけますが、そういう考え方がある以上、やり方の問題なだけなのではないのかな…。
そして1日5時間(拘束)労働って、いろいろな人にとって、なかなかよい塩梅の時間だと思うのだけれど。
1,2つ会議もできるし、集中してまとまった作業をすることもそれなりに可能だし、仕事が好きで環境が許す人は、もう1つ2つ別の5時間労働仕事もできるだろうし、趣味に生きたい人は趣味に割く時間もそこそこ確保できるし、歳をとっても5時間ならまあいけるかな、という程度の負荷具合でもありそうだし。
私にできることは限られるので、せめて自分の息子には子ども時間を満喫させられるよう
- 健康第一
- 家内安全
- 商売繁盛
でがんばりたいと思います。
2022年4月吉日