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社会人生活折り返し 前半を振り返る(20年以上が経過して)


こんにちは、にわです。
この投稿を書いている今、46歳、現在のところ70歳まで働く予定のため、社会人生活折り返しくらい、ということで、これまでの労働人生を振り返ってみています。だいぶ端折ったつもりが、3回に分けての投稿になってしまいました。今回が3回目で最後となります。

 

1回目:職探しを始めるまで
 振り返ると、高校生活3年間の過ごし方が、現在にまで影響を及ぼしていると感じ、1回目の投稿にまとめました。 

2回目:職探しを始めてから
 大学を卒業して現在の仕事に至るまでの変遷を振り返り。文系卒、未経験でどのようにIT部門で働くことになったのか。

 

3回目の今回は、現在の職場に転職して15年が経過、IT部門で働いて合計で20年以上が経過した現在、思うことについてまとめています。

 

20年以上が経過して

現在の職場へ転職

現在の職場は、転職サイトでみつけて応募し、書類選考と2回の面接を経て採用されました。当時、設立から10年前後の新しめの会社で、規模がだんだん大きくなってきて常に人員が足りないという状況だったと認識しています。

 

採用されたチームは、USに本社を置く外資系企業の社内IT部門のシステム運用管理チーム。業務内容的には、前々職の損害保険会社での仕事に近いですが、今回は業種としては小売のため、仕事の進め方が全く異なりました。

 

IT運用管理部門といっても様々

前々職とのギャップで驚いたこと

  • 開発者が本番システムを何の手続きもなく変更している
  • できる人ができることをしていて責任の所在が不明確
  • インターネットで調べたコマンドを本番システムで即実行している

 

しかしこれらはその後、監査での指摘を受けて、改善されることになり、現在では、金融のときほど厳格ではないものの、前々職と近い状況になっています。

 

当時は、何の連絡もなく本番システムの停止アラートが発生して、何事かと思えば、開発者が勝手にシステムを再起動していただけ(「だけ」と言っていいのか…という感じですが…)ということがしょっちゅうありました。

 

前々職では、インターネットで調べたコマンドを実行することは厳禁で、ITベンダの常駐エンジニアの保証がないコマンドの実行は許可されませんでしたが、この会社では、保守契約しているサポートベンダに頼るよりも自分たちで解決してこそ、という職場で、なかなか前々職とのギャップに慣れることができませんでした。

 

一番の不安は技術力

エンジニアの世界のあまりの奥深さに、翻訳の仕事に転職した身としては、ブランクもあり、技術的にやっていけるのかが一番の不安でした。ただもう戻るところはないので、腹をくくって、とにかくわからないことは諦めずひとつひとつ潰していく覚悟で、できることを少しずつ増やしていくうちに、前々職の感触を思い出し、IT技術職から離れていた1年半のブランクは気にならなくなっていました。

 

とにかく人員不足で、技術力が必要なこと・不要なこと、どちらもやらなくてはならないことは山ほどあったので、技術力がさほど必要ではないことでチームに貢献しつつ、すこしずつ技術面でもキャッチアップしていき、卓越してはいなくとも、チームの平均以上の技術力はもっている、とチームのメンバに思われている、というところを目標とし、現在ではその程度には思ってもらえているのではないかと思います。

 

技術力で悩まなくなった理由

全領域に卓越した人はほぼいない

自分の技術力について思い悩むことがなくなった理由のひとつは、長年、様々な人たちと働いているうちに、みんな完璧ではない、ということがわかったから、ということがあるように思います。

 

他の職種や職場についてはわかりませんが、エンジニアの中には「こんなことも知らないのか」というような言動を明示的にとってきたり、明言せずににおわせてマウントを取るような人もまあまあいます。中には、性別ではじめから見下してくる人もまあまあいます。開発やWeb系では女性のエンジニアも昨今は増えていますが、インフラ周りではまだまだ女性はマイノリティーではないかと思います。私の所属するチームはこの15年、女性スタッフは私一人です。

 

若い頃はみんなが万能に見えていましたが、そういう人たちも、自分の領域外のことは、驚くほど知らない、ということはよくあります。そして、本当に卓越したエンジニアの方々は、技術マウントを取るようなことはしない、という実体験が増えてきたことで、マウントを取ってくるような人は、自信がない技術領域があるのかな…と思う余裕ができました。

 

知らなくてよいことがわかってきた

もうひとつの大きな理由は、自分が知っていないくてはならない技術領域と、知らなくてもいい技術領域が、概ね判別できるようになったことかと思います。

 

若い頃は、あれも知らない、これも知らない…と途方にくれましたが、20年以上も働いていれば、さすがに自分の職種上、必要とされない/なくても概ね影響はない技術領域は、明確になり、さほど必要ではない領域については、これはひまひとつ理解が不十分だけれどまあいいか、と思えるようになりました。

 

捨てられる領域ができたことで、絶対に知らなくてはならいこと、知っていた方がよいこと、できなくてはならないことに、注力でき、精神面でも時間などの物理的な面においても、ずいぶん楽になりました。

 

チームメイトが評価してくれている

3つ目の大きな理由は、一番近くで一緒に仕事をしているチームメイトたちが、自分のことを評価してくれているのがわかるから、です。

 

転職したばかりのころは、採用してくれた上司以外の誰にも期待も信頼もされていないことをひしひしと感じましたが、いつからか質問されることが増え、頼られることが増え、にわさんだから、というような評価の言葉をもらえる機会が増えました。

 

一番近くで一緒に仕事をしている人たちの評価は一番正確だと思っているので、すこし関わっただけの人から心外な扱いを受けることがあったとしても、チームメイトがわかってくれていると思うと、さほど気にならなくなりました。

 

ほどほどの技術力のよさを認識

中途半端に技術力がある人がいると、あちこちに手をつけて、ドキュメントは残さず、その場しのぎの解決をして転職され、残されたエンジニアが苦労したり、特殊な変更をほどこしてしまってサポートが受けられない…ということはIT部門ではよくあることではないかと思います。

 

会社の規模が小さいうちはなんとかなっても、1人で面倒を見ることができない規模になると、もはや負債でしかありません。

 

私の理想は

  • 人柄がよい
  • 平均的な技術力
  • チームで仕事ができる

人たちで構成されたチームです。

 

際立って先進的なことはできなくとも、システムを安定稼働し続けられるのは、こういう人たちだ…と感じる場面をたくさん目にしてきたことで、技術力の高低は、ある程度の規模の組織になると、ほとんど問題ではない、と思うようになりました。

 

時には原因がまったくわからないトラブルが突如発生することもありますが、きちんと必要なドキュメントがそろっていてバックアップが取られていれば、最悪、いちから構築し直すことで直近の正常な状態までは戻せます。こういうスタンダードな対応は、標準的な技術力があれば十分対応可能です。これが実現困難な現場というのは、ドキュメントが整備されていなかったり、チームで仕事がされていなかったり、バックアップなど地味な部分に必要なコストをかけてこなかった、といった組織だろうと思います。

 

技術以外の仕事の可能性

職場環境の変化と、年齢的な変化により、転職した当初に比べて、技術的なあれこれよりも、管理的な要求が増えてきたことも、技術面で悩まなくなったことの理由のひとつかと思います。

 

歳を取って、更に技術でより卓越していくことを志す人と、技術よりも管理的キャリアを志す人とで、道は分かれてくるところかなと思いますが、どちらかを選べと言われると、技術という選択肢は自分にはないし、上司からもより管理的な役割を担ってほしいと言われてもいるため、そちらのほうが向いているのだろうと認識しています。

 

ただ、管理的な仕事であれば技術力は不要かというとそうは思っていません。自分自身が年月を経て、それなりに詳しい領域ができてきて、違う技術領域からきた人が上司になると、会話が成立しなかったり、すごく簡単なことを過大評価されたり、逆に難しいことを過小評価されたり、ということがあることに戸惑った経験があるためです。

 

自分の管理領域については、それなりの技術的スキルセットもなければ、現場レベルの適切な管理は難しいと感じます。

 

これからの20年

就職時には超氷河期で、今は現場で働く一介のヒラ社員であり、会社の方針でこの15年の間にも、関わることができる技術領域や責任範囲がガラリと変わって、会社で働くという点においてビジョンのようなものはほとんどありません。

 

心身ともにまあまあ健康で、生活していけるだけの給料が支払われるだけでありがたい。

 

ただ、この状況がこれから先の20年も続くのかはわかりません。仕事について悩むことがあまりなくなった今、これからの二十余年を考えるタイミングなのかな…とぼんやり考えています。

 

我が家は専業主夫世帯で、私は家族の生活の経済的担い手なので、今の生活を守りつつ、今後の二十余年について考える必要があります。10年後には息子も18歳になり、将来を具体的に考える年齢になります。10年後には自分は56歳ですが、リタイア予定の70歳までまだ14年もあります。

 

歳をとって、1日、1年が過ぎるのが年々早くなっていますが、この先の二十余年、何ができるのか考えていきたいです。 

 

2022年10月吉日

 

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